韓国で話題になった、自己啓発書を訳しました。

チェッコリ「翻訳スクール」

こんにちは。

みなさん、東京・神保町にあるCHEKCCORI(チェッコリ)というブックカフェをご存じですか? 出版社「クオン」が運営していて、韓国関連の書籍を専門に扱っています。

韓国文学好きなら、知らない人はいないと言っても過言ではないチェッコリですが、書籍の販売以外にもさまざまなイベントや、翻訳スクールを企画しています。

私は去年の夏と今年の冬に翻訳スクールを受講したのですが、自分の翻訳観や翻訳スタイルを見直すとてもいいきっかけになりました。今日はその「翻訳スクール」について紹介したいと思います。

・韓国語翻訳、韓国文学に興味がある方

・翻訳スクールの授業内容を知りたい方

こんな方にオススメの記事です。

チェッコリ翻訳スクールとは

http://www.chekccori.tokyo/honyaku_school

新型コロナウイルスが流行しはじめてから、会社や学校など、さまざまなところで「オンライン化」が進みましたがチェッコリでも2020年から翻訳スクールを全面オンラインに切り替えて運営しています。

まずは各コースの特徴を紹介します。

  • 出版翻訳入門コース 作文と翻訳の違いはどこにあるのか、翻訳とはどんな作業なのかを具体的に考えることを目的としたコースです。翻訳経験のない方向け。
  • 出版翻訳基礎コース 原文をどのように解釈して自分の訳文を作っていくかについて考えていきます。レジュメの書き方も学べます。
  • 文芸書読解コース 翻訳に欠かせない読解力を鍛えます。主に小説を教材として使います。
  • 文芸書翻訳コース 小説やエッセイを実際に翻訳しながら、翻訳の実践力を磨きます。
  • ノンフィクション翻訳コース 映画や音楽、食などについて書かれた書籍を教材に、内容や背景の確認とリサーチの方法、「伝わる文章力」を身につけます。(チェッコリHPより引用)

チェッコリ翻訳スクールは、1月-4月、5月-8月、9月-12月の年3回開講し、募集はそれぞれ11月、3月、7月の予定だそうです。

このなかで私が実際に受講した、「出版翻訳基礎コース」と「文芸書翻訳コース」について、タメになったポイントを抜粋し紹介します。

あくまで私の主観であり、扱う教材などによっても内容が変わるかと思いますがよければ参考にしてみてください。

出版翻訳基礎コース

・韓国ならではの文化や背景を、どう解釈して翻訳すればよいのか学べる

・文芸翻訳はもちろん、韓国語を生かして仕事をしたい受講生の方が多く、先生も親身にアドバイスをしてくれる

・レジュメ(出版社に提出する企画書)の書き方を学べるので、書く力はもちろん、深く読む力がつく

 

文芸書翻訳コース

・韓国の小説を読むことに慣れている受講生の方が多いので、作品を深く読み込むことにスポットが当てられている

・扱われている作品の難易度が高く、一度の授業で5~6ページは進むので読む力がつく

・講師から訳文への具体的なアドバイスがもらえる

 

講座を受ける前までも翻訳の勉強や仕事を続けてきたわけですが、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨すること、自分の訳文を客観的に見ることの大切さを学びました。自分自身、「わかったつもり」になって訳している部分がどれほど多いか…授業後は毎回ひとりで反省会を開いていました。

この翻訳講座をきっかけに、韓国語の原書を読む習慣がつきました。読むスピードも少しずつ上がってきているような…

また、現役の翻訳家の先生ならではの裏話や、翻訳をする際のポイントなど貴重なお話しもたくさん聞けました。時間をかけて習得した知識を、惜しげもなく共有してくださる先生という存在は、ほんとうにすごいなぁと思います。

翻訳ジャンルによって表記の方法など違いはありますが、原文を読み込み、意図を正しく伝達する、そのためにどんな表現を選択するかという部分においては共通すると思うので、自分に合った翻訳分野を見つけたいという方にもオススメです。

 

私にとって韓国文学とは

少し脱線しますが、私が韓国文学を好きな理由を考えてみました。

特に出産・子育てを通して、「女性(母親)」という理由で諦めなければならないことがたくさんあるということを感じるようになりました。そんな現状がつらく、受け止められない自分はおかしい、どうして他のひとにはできるのに私にはできないんだろう…と、出産後は毎日葛藤していました。

そんな、物理的にも精神的にも追い詰められてしまったときに韓国文学に出会い、私が感じていた違和感や疑問は決しておかしくないことなんだと言ってもらったような気がしたのです。

どこかしらに「自分」を見つけることができ、寄り添ってくれるのが韓国文学の魅力なのでは? と思っています。

 

そして講座を受けるみなさんも、いろいろな背景があって韓国語や翻訳に向き合っていらっしゃって、そういうお話しを聞けたことも自分のなかでは大きな発見でした。

韓国語翻訳への注目度が高まっていますが、こういう講座は他ではあまり見かけません。個人的には、平日に開かれる講座があると嬉しいな~なんて…。いろいろな方が無理なく翻訳を学べるような、そんな場所が増えたらいいですよね。

いつか本を翻訳できる日を夢見て、オンライン講座やセミナーなどを活用しながら、少しずつですが成長していきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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